腕時計メンテナンスの修理工具/3点式オープナー

こちら「3点式スクリューオープナー」です。写真でも分かるように大きさは同じで、使い方も同じです。では何故このオープナーが存在するのか?。ですね。

このオープナーは¥3.000〜¥15.000で販売されています。この写真は”ベルジョン製”ですから¥13.000くらいします。¥3.000でも売っていますが、高い物は爪のガタツキも無く、しっかりホールドする感じがあります。ぼくらは工具には耐久性を求めますから、こういった工具を買いましたが自分の腕時計を開けるのみなら¥7.000くらいの物でも大丈夫でしょう。

この様に3つの爪で裏蓋を回します。"BERGEON-No2819"

スイス製の工具です。この様に替えの爪も入っています。2点式のオープナーでは爪の大きさを変えて2本用意していましたが、こちらなら爪の大きさ形状違いが入ってまして、爪の交換は感単に、ネジを緩めずに引き抜く事が出来ます。¥13.000は伊達では無いですね。では、話は戻りまして何故この3点式オープナーが必要か?

先ずは、こちらの腕時計ですが普通の2点式オープナーの所でも紹介した裏蓋です。普通の裏蓋はこの様に裏蓋の中心を挟んで左右対象位置に爪を掛けることが出来ます。2005年現在ではこのタイプがスクリューバックの98%くらいでしょうから、2点式オープナーがあれば充分かもしれないですね。これを3点式で開けるとなると、この様に爪を掛けて回す事が出来ます。ぼくらは3箇所の爪を掛ける作業自体が邪魔くさいくらに、2点式で感単に開けます。しかし、慣れない方にとっては2点式で充分なこの裏蓋でも、3点式で作業する方が確実に安心して裏蓋を回すことが出来るでしょう。

 

2点式のオープナーでも解説しましたが、裏蓋を回すときにこの様に工具が浮いてしまうことがあります。これはバイスに腕時計が固定されているように見えても、力を加えると腕時計がバイスからずれる事があるからです。常に右側写真のように裏蓋に対して平行に工具を扱えれば問題は無いですが、慣れないと意外に難しい作業なのです。(腕時計のケース形状が、たまたま固定バイスにピッタシはまった場合は簡単ですが)

これが3点式だと、当然3箇所で押さえますから工具が浮いたりする可能性も少なく安全に作業が出来ます。しかし、慣れた者にとってはこの3点式よりも普通のオープナーの方が作業が早い訳です。よってこの3点式は年に数回しか使いません。(写真で見てもキズもなく綺麗でしょう?。使わないものね)では、何故使わないのに持っているのか?
この写真を見て頂ければわかりますね。スクリューバックでもオメガなどにはこのタイプが多いのです。

これを普通の2点式で開けるとなると、左写真の箇所に爪を掛けるしかありません。この○位置を結ぶと裏蓋の中心を通りません。右の普通の裏蓋なら○位置を結ぶと裏蓋中心を通りますね。つまり、こういった変わった裏蓋があるために3点式オープナーが存在する訳です。

ちなみにこの裏蓋。普通のオープナーでは開けられないか?。そんなことはありません。開けることは出来ます。ただ裏蓋に均等に力が掛かりませんから最悪は裏蓋を変形させる可能性もあります。

勿論、普通のオープナーで開けるのはかなり熟練した腕がないと難しいです。プロ中のプロはこの裏蓋を。「メンテナンス修理工具一覧」TOPに戻る。

「TAG HEUER」「ブランド時計」「時計メーカー外」「G-SHOCK」「CASIO」「JAPAN」